【決算で売られた銘柄】市場の評価と今後の展望⑤
先週末に610件の企業決算が集中しており、その結果を受けて、週初めから売られる銘柄が多数存在した。市場がどのように反応したのか振り返っていく。
2月14日終値ベースで、ネガティブインパクトの大きかった銘柄を12社紹介する。
- EDP <7794> 24,170円 (-5,000円、-17.1%) ストップ安
- ケイアイスター不動産 <3465> 4,050円 (-695円、-14.7%) 一時ストップ安
- イーレックス <9517> 1,975円 (-338円、-14.6%)
- ネクストーン <7094> 4,095円 (-700円、-14.6%) ストップ安
- 東プレ <5975> 1,113円 (-139円、-11.1%)
- PHCHD <6523> 1,394円 (-151円、-9.8%)
- 酉島 <6363> 1,430円 (-130円、-8.3%)
- 学研HD <9470> 858円 (-78円、-8.3%)
- 東洋合成 <4970> 8,340円 (-690円、-7.6%)
- カーボン <5302> 4,105円 (-300円、-6.8%)
- アカツキ <3932> 2,132円 (-153円、-6.7%)
- 福井コン <9790> 2,835円 (-200円、-6.6%)
企業決算を見る限り、売られ過ぎ感は否めないが、今週のチャートをもとに、今後の展開を予測していく。
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東洋合成 <4970>
特色は、半導体や液晶のフォトレジスト用感光性材料を製造。化成品は高純度溶剤、香料材料などが柱。2月10日大引け後に決算を発表し、23年3月期第3四半期累計(4-12月)の連結経常利益は前年同期比0.4%減の20.8億円となり、通期計画の65億円に対する進捗率は32.1%にとどまったものの、5年平均の28.4%を上回った。さらに、直近3ヵ月の実績である10-12月期(3Q)の連結経常利益は前年同期比46.8%減の8.7億円に落ち込んでおり、嫌気されたと報じられている。
先週までのチャート
決算発表の翌営業日、約7.6%下落した後も、株価は下落を続けており、厳しい状況だ。決算の内容を振り返ってみると、
- 感光性材料事業
先端領域向け材料は、強い需要が続き、ディスプレイ向け感光材も緩やかに回復中
- 化成品事業
コロナ特需の反動による販売減少、中国ゼロコロナ政策、世界的な金融引き締めによる景気減速から需要が冷え込んでいる。香料材料関連製品は、インフレの影響を受け、販売低迷。
需要の底堅い事業が存在するものの、インフレ・金融引き締めによる影響を受けたことにより、減益と報告されている。これらの状態から推測すると、当面の間、要因が解決することは期待しにくい。テクニカル面でみても、RSIやMACDともに、売られすぎの水準までは程遠く、底打ち、反転するとは言えない。今週の値動きを様子見し、下値を試すも切り上げていくような傾向がみられるようならば、買いで入ってみようと思う。
カーボン <5302>
特色は、炭素製品大手。電炉向け電極、半導体やリチウムイオン電池向け製造。航空機用はGE等と合弁。同社は2月10日大引け後に決算を発表、22年12月期の連結経常利益は前の期比13.7%増の50.4億円に伸びたが、23年12月期が前期比34.5%減の33億円に落ち込む見通しとなったことで、嫌気されたと報じられている。
先週までのチャート
◆本記事を作成するにあたって引用した文献
https://finance.yahoo.co.jp/news/detail/119983e4d2bb41adbc3b6dce7cac76c9d0310aa6